群青だより

10年、20年先の子どもたちの未来のために

任せること

オンライン西川ゼミが行われた。5月末から始まり明日で5回目だ。前回はknow-how「どうやるか」ではなくknow-why「なぜやるか」を説くことが大切であることを学んだ。「なぜやるか?」ということを納得している生徒が一定数いれば、大人がこうしろああしろと言って動かしていくよりもはるかに大きな力を発揮するということだ。このことは実際に学校で生活している中で大きく感じることでもある。大人はついつい途中で口出しをしたくなってしまいたくなるのだが、信じて任せることで、時に子どもは大人の想定をはるかに超える成長を見せるのかもしれない。

西川先生のたとえ話で給食の片付けの話が出てきたが、これもタイムリーな話題だった。クラスでは時間を守ることを大切にしている。たとえば給食については、4時間目終了のチャイムから10分後「いただきます」を目標にしている。これは別にほかのクラスと競争をしているわけではなくて、①給食の時間をゆったりと過ごしてほしい②食べるのが遅い(苦手)な生徒がクラスにおり、その子のことを考えるとなるべく多く時間をとってあげたい③片付けにゆとりを持ち調理員や栄養教員に迷惑をかけないようにしたいなどの思いからだった。

そのことをきちんと説明し、あとはなるべく口出しせずに、時間で「いただきます」ができたときにきちんと「できたね~(^^)/」と確認するようにしてきた。遅くなっても自分がイライラする気持ちを抑え、なるべく細かく指示したいり説教したりしないようにしてきた。4月から始まり3か月、今では急いでやる空気もなく、それでいてちゃんと時間(よりも早く)で「いただきます」ができるようになってきている。自分たち一人一人が、早くいただきますをするために何をすべきかを考え、そのことが当たりになっていきているような気がする。

もうひとつ、任せることで感じた生徒の成長について。学年の総合学習の取り組みで、クラス紹介のVTR作成に取り組んでいる。方向性が決まるのを見届けた後は、すべて生徒たちに任せ、活動を見守っている。必要な道具や場所など生徒からのリクエストがあったら環境を整える努力をすること以外は一切手出しをしない。そんな風にして10時間が経った昨日、ふと男女間の壁が解消されていることに気づいた。また教室の生徒の関係がどこか流動的になっているような気がした。また休みの生徒を気遣い、休んだ生徒が登校した日に取り組む時間が欲しいと申し出る生徒もいた。

『学び合い』の考え方がいろんな場面で生きていると感じる。