群青だより

10年、20年先の子どもたちの未来のために

助かる命が

オミクロン株の感染拡大。ものすごいスピードで急拡大している現状。ニュースで伝えられる数字にどこか危機感を感じていなかった。またすぐおさまるだろう。軽症で済むのだろう。芸能人多いな。ラジオも代打ばっかだなぁ。

 

その波はすぐ近くまで来ていてもどこかひとごとのような世間の空気。街には人が出ていて、学校も通常授業。

 

先日後輩の母親が亡くなった。腹痛を訴え救急搬送されるもすぐに受け入れてもらえず治療が遅れてしまったのだという。通常であれば助かった命だったはずだ。まだ若い。なによりも数日前までは元気に過ごしていたのだ。

 

誰に対しても優しい後輩である。人一倍家族思い、母親思いの青年だったことは言わずもがなだ。そんな後輩のことを思うとただただ胸が痛い。

 

 

定期的な感染拡大の波にどこか感覚が麻痺していないだろうか。まだ特効薬が処方されているわけでも、ワクチンがいつでも打てるわけでもないのである。

 

少しくらい大丈夫だ、そんな軽い気持ちの行動が、知らない誰かの命に確実につながっていることを、どうか知って欲しい。

 

コロナ禍の逼迫した医療現場では面会すらも容易にはできないのである。自分の大切な子どもや妻や親祖父母に置き換えて考えて欲しい。そして僕にできることは目の前の生徒たちにしっかりと語ることだ。腹に気持ちを据えてしっかりと語ることなのだ。