群青だより

10年、20年先の子どもたちの未来のために

命のバトン

ありがとうの意味を考えた。調べてみると、「ありがとう」は形容詞「ありがたい」の連用形「ありがたく」が変化した言葉なのだそうだ。

 

漢字で書くと「有難い」であり「有ること」が「難い」という意味を持っているのである。

 

妻が明日(今日)退院する。無事に出産を終え、長男とともに帰ってくる。

妻とともに生活しているときは、日々の生活をあたりまえに感じていた。

 

しかし、子どもを出産し、数日の入院期間中、家の中がなんだかがらんとしていてとても寂しく感じた。「いつも通りがいつも通りであること」は、尊いことなのだと思った。

 

明日、妻に会って最初にちゃんと「ありがとう」を言おうと思う。

 

 

そして、終戦記念日の前日に産まれた我が子。

 

さいころ遊んだ、祖父母の家の裏には防空壕の穴があった。

今はもうほとんど土で埋まっている。

 

その穴の意味を、今ある命の重みを、息子の生まれた日にちゃんと伝えていきたい。

社会科教師として、いや父として、日本人の一人として。

 

もうじき90になる祖父母であるが、小さい頃から僕はこの祖父母が大好きだった。

そんな祖父母に早く我が子を抱いてもらいたい。

 

その時ちゃんと「ありがとう」を言いたい。