群青だより

10年、20年先の子どもたちの未来のために

合同『学び合い』

今週は三者面談のため午前中4時間の特別日課です。そのため、授業がつぶれてしまい、期末テストの兼ね合いでどうしてもあるクラスの授業が1時間足りなくなってしまいました。そこでそのクラスの進度に余裕のある数学の先生に相談し、そのクラスの授業を1時間もらうことにしました。でどうせやるなら、もともと自分の授業が入っている時間で2クラス合同で授業をやろう!と思い、初めて合同『学び合い』を行いました。


合同『学び合い』については以前、上越教育大の西川先生のオンラインゼミで質問をした際に教えていただきました。


その際の質問は『学年5クラス同じマインドで授業をしていても、どうしても集団の流動性や男女関係なく関わる雰囲気に差が出てしまう。どうしたらいいか?』というものでした。

その質問をした背景として、中学校は教科担任制ですが、学級担任の考え方や姿勢が学級の生徒へ与える影響というのが少なからずあると思います。学年の教師集団は多様であるべきだと思います。ですのでこれは批判的に書いているのではありません。ただやはり担任として生徒に見せる日々の言動や非言語の姿が集団に与える影響は大きいような気がします。

それによってできたクラス間の差を解消するためにも合同『学び合い』は有効であると感じました。西川先生には以下の本も紹介していただきました。

 

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今回合同『学び合い』を行ってみて良かったことがたくさんありました。
まず、授業をくださった数学の先生が、「なんか面白そうなことやるね!」と言って、その時間の授業を見に来てくれました。実際に生徒の『学び合い』の様子を見ながらいろいろな話ができたことがとても良かったです。そしてその後の授業で、『先生の授業、数学でもやってみたよ~』と数学で『学び合い』を実践してくれました。

また合同『学び合い』を行って、生徒の様子から実感したことは数は力だということです。課題へ取り組む集中力が一段上がりました。その結果時間内に課題を達成する生徒が増え全員達成に大きく近づきました。

そして何よりも多様で多数の人間関係の中で学ぶ中で、孤立して学ぶ生徒が解消されました。普段の授業では、一人も見捨てないことを語り、友だちと学ぶことを推奨しながらも、前提として個人でじっくり学ぶことも大事であることを伝えています。これは個人で学ぶ=孤立とならないようにするためです。

しかし願いは多様な生徒とのつながりの中で、「助けて」「教えて」と言える生徒、生徒集団を育てたいというものです。1クラスよりも2クラス、2クラスよりも3クラスというように数が多くなればなるほど、一緒にいて安心できる人と学べる確率も高くなるのだと思います。そういった安心感を抱きながら、クラスの垣根を越えて、あちこちに立ち歩いて流動的に学んでいたことがとても印象的でした。

終わった後、生徒は口々にまた合同でやりたい。なんなら5クラス一緒にやりたいと言っていました。学年の生徒や先生を巻き込みながら、やれるのが合同『学び合い』の良さなのだなあと思いました。