群青だより

10年、20年先の子どもたちの未来のために

守破離

守破離という言葉がある。

辞典には

 

守破離」とは、武道・芸道を始めて師の教えを乞う人の取るべき態度や考え方を示したものである。

 

第一に、師から教わった型(やり方)を徹底的に「守る」こと。

 

第二に、師から教わった型・やり方が身についた後に、師以外の他流派の型を研究しつつ、自分自身にとって最も良いと思われるものを模索して、既存の型を「破る」こと。

 

第三に、既存の型と自分の考えた型の両方をバランスよく理解する域に至ることで、既存の型から「離れる」こと。

 

このような三つの段階を経て高みを目指すという教えである。

 

と記述されている。

 

 

この仕事をする上でもとてもしっくりくる言葉である。

 

先日後輩の剣道家から実は守破離には離の次があり、実はそれが一番大切なのであるという話を聞いた。

 

離の次はまた守に戻るのだ。そうやって守→破→離のプロセスを辿って行くと、一回めには気づかなかったことや見えなかった景色が見えるのだという。

 

それを聞き僕は思わず膝を打った。そして調べてみると、茶道の礎を築いた千利休の教えをまとめた『利休道歌』には「規矩作法守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」という一説があり

 

守破離を成し遂げた後も、本(基本の型・本質)を見失ってはならない」

 

という戒めを示しているのだという。

 

 

先日プロフェッショナルにプロボクサー井上尚弥が出ていた。彼のボクシングに対する眼差しや姿勢もまさにこれに通じるのではないかと思う。