群青だより

10年、20年先の子どもたちの未来のために

共通了解

対立構造にある問いに対して是か非かを議論することはよくある。しかしいくら議論しても答えを出すことが難しい。

 

コロナ禍の政策において、経済か医療かという例をあげても、そもそも誰にとってのという視点が違うのでこれを両立させることはむずかしい。

 

中2の歴史的分野で学習する享保の改革。財政を一時的に建て直したこの改革であるが、成功か失敗かを問われると、百姓や町人、大名、幕府の異なる立場により当然見え方は変わってくる。

 

財源を確保するために年貢の仕組みを検見方から定免法に変えている。天候の良し悪しにかかわらず一律に年貢を納めさせるのようにしたことで、幕府は収入の安定を図ろうとた。また大名に対しては江戸への参勤を緩める代わりに米を石高に応じて一律の米を納めさせた。さらに新田開発により耕地面積も飛躍的に大きくなった。これらの政策により一時的にではあるが財政の建て直しに成功する。

 

しかし百姓や町人の視点で考えると、凶作の年は年貢を納めるのが苦しくなり一揆や打ちこわしが多発する。しかもこの時代の85%は百姓であり、その勢力は決して侮れない。

 

こうしたとき幕府側の視点で考えると成功、百姓側の視点で考えると失敗というように、立場が変わると主張も異なるのだ。

 

次回の課題。肯定側も否定側も両者が折り合いをつけられる新た改革案を考え提案するです。