群青だより

10年、20年先の子どもたちの未来のために

自由進度学習始めました

地域によっては定期テストが廃止されている学校もあるようですが、私が勤務する市では今のところはそういった動向の兆しは見えません。

今回のテスト範囲は近世の小単元その1(ルネサンス安土桃山時代)です。新しい試みとして今回、この単元の授業を自由進度学習で行いました。自由進度学習(単元内自由進度学習)とは生徒が自律的な学びを進めるための学習方法です。単元を通して、学び方、学ぶ人、学ぶペース、学ぶ空間などを自分で選択しながら学習を進めます。この学習を通して生徒の学びの個別化協同化を図りながら、学びを自学力自己調整力を育みたいと考えています。

この単元内自由進度学習を行う上で、蓑手章吾さんの実践や書籍からたくさんのことを学び、参考にしました。


蓑手先生の実践を参考にしながら、今回私が行った単元内自由進度学習のポイントを以下にまとめてみたいと思います。

1 学び方について
・小単元の学習プリントと学習計画が命!事前にすべて配布。
・学ぶ方法は
 ①デジタル教科書(iPad)、資料集
 ②eboard(デジタル教材)※上のYouTube参照
 ③友だちから教わる
 ④先生から教わる
・動画を途中で止め、教科書の内容と照らし合わせながら確認している生徒や、ノートにメモをとったり、動画を巻き戻して繰り返し見ている生徒もいました。また動画と資料を同じ画面に開いて音声で聞きながら、資料を確認している生徒もいました。

・学習プリントが1枚終わり内容を理解できたらその内容のまとめと振り返りを記述する。

2 学ぶ人
・個人で学んでもOK 友だちと学んでもOK その都度内容や理解度によって選択してOK ※個別と孤立は違う!一人で学習する=浮いているにならないこと。

3 学ぶペース
・じっくり学んでいく人もいれば先にどんどん進んでいく人もいる
・途中で前に戻ってもう一度振り返って取り組む人もいる
・早く終わった人で、自分の興味・関心を持ったことに対して探求する人もいる
・わからない人を探して教えている人もいる
・自分のノートにまとめ直しでいる人も
⇒いるんな人のいろんなペースがあっていいよねっていう空気感がその場の安心感につながりました

4 学ぶ空間
・机の配置などを自分の学習しやすいように移動してOK
・友だちと机を並べたり向き合わせたりする生徒もいる
・個人で取り組む生徒もいる
・班の隊形にする生徒もいる
・学級の人間関係が流動的になっていると、自然と机の配置も人が間を移動しやすい配置になる

5 教員の指導について
・本当に教員の助けが必要な人にコミットする
・全体をよく見る
・学級の素が出るので良く見る(基本は眺めて見守る)
・人の道を語る

6 みとりについて
・単元テスト
・学びカードのまとめと振り返りの記述
※まとめと振り返りの例


同じことを同じペースで同じようにといった一律に作業や課題を課していくのは工業化社会のコードです。ここから脱することで新たな学びを模索します。今回の定期テストの結果も楽しみです。